2023/01/23 16:21
私はペット業界に10年従事していますが、ずっと変わらない夢があります。
それは、『殺処分されるペットをゼロにしたい。』ということ。
数は減ってきてはいるものの、未だに捨てられて殺される命があることは、周知されていること。
「なぜゼロにならないのか?」
「自分は何をするべきなのか?」
毎日のように自分に問いかけます。
現在の私は、Fun Placeというトリミングサロンの会社に勤めています。その前はトイプードル専門のブリーダー兼販売の会社に勤めていました。
「殺処分ゼロにしたいならなぜ保護活動しないのか?」と思われてしまうかもしれません。
保護活動は大変立派な行為で、生半可な気持ちでは出来ません。活動されている方々を心から尊敬していますし、自身もどこかで携わることができればと考えています。
しかし、私はもっと自分がするべきこと、しなくてはならないことがあると思っています。それは、『ペット業界全体の仕組みを変えること』です。
捨てられてしまう多くの理由は、飼えなくなったから。
吠えるから、噛むから、病気になったから、引っ越すから、高齢になったから、
だから、飼えなくなったから…。
本当に悲しいです。
もちろん、最後まで責任を持てない元飼い主は悪いと思います。
ですが、それだけではないと思うんです。
-売れることを優先するブリーダー
-売っておしまいのペットショップ
-よく考えずに買う飼い主
全てに責任があると思います。
以前ブリーダー店で勤めていた時は、
「仔犬は母犬や兄弟犬と過ごし、心と身体の両方が健やかな仔犬をブリーダーが正しい知識をもって飼い主様に引き渡す。これが常識になることで、不幸なペットを減らすことができる。」と考えていました。
仔犬が母犬から早く離れることは、母乳を必要な時期まで吸えず、身体・脳・心の全ての成長に支障がでます。
骨が細くて骨折しやすい子、脳への栄養が足りず落ち着きのない子、安心を覚えられず吠えてしまう子…
将来「捨てられる」原因となりかねません。
兄弟犬と遊んでこなかった子は、噛む力の加減を知りません。
いやだ!と飼い主の手を思い切り噛むかもしれません。
そういった生体の知識をもち、仔犬一匹一匹の成長や性格を母犬と一緒に見てきたブリーダーが、飼い主になるかもしれない方との相性や生活環境を考える。
犬の習性、犬を飼えば考えられるリスク、一生でかかる費用、高齢犬になれば介護がいるという事実、これらをきちんと伝える。
そうすることで「思ってもみなかった」は防げるし、「手放す」なんて最悪な結末は防げると思うんです。
「小さい方が高く売れるから、○月産まれってことにしよう、早く売りに出そう」
そんなブリーダーがいるなんて思いもしませんよね。
「販売ノルマを達成しないといけないし、世話は簡単だって説明しよう、お散歩はいらないって言おう」
そんなペットショップあるなんて思いもしませんよね。
そんなこと聞いたら騙されたって思いますよね。
でも知らなかったでは済まされないこともありますよね。
全員が変わらないといけないんです。
つづきは、
日本のペット業界の裏側「ペットは所有物?」【現役トリマーの本音】2/2 →